【解決】交通マナーに関するクレーム対応

学校

本稿は、学校によせられる交通マナーに関する【クレーム対応】で困っている先生方に向けた基本的な考え方や解決方法について書いたものです。

「お宅の学校の生徒が、道いっぱいに広がっていて通れなかった。」

経験上、学校に寄せられるクレームで多いのは、生徒下校時の交通マナーに関する地域住人からの苦情です。

電話口で「どういう指導をしているんだ!」「危ないと思わないのか!」と怒る相手の声に冷静さを失い、泥沼の対応に引きずり込まれないようにするには、どうすればいいのでしょうか。

【ポイント】『本当に、このクレームは学校が受けることなのか?』

クレームへの対応力は、平時にどれだけ考えを整理しているかが鍵になります。ここで考えたいのは、クレームの正当性です。そのクレームの電話は、本当に学校が受けるべき内容なのでしょうか?

(例)あなたの家の前で誰かの運転する車が事故を起こし、通行止めになりました。あなたは、事故車を販売するディーラーやメーカーに文句を言いますか?

この場合、あなたが文句を言うとしたら、事故を起こしたドライバーのはずです。ディーラーやメーカーに対してクレームを言うのは❝お門違い❞です。

同様に、生徒の交通マナーに関するクレームは学校が請け負う必要のないものです。

学生の自転車が通行の妨げになっていたのであれば、電話主はその学生に直接言うべきなのです。

ではなぜ、学校にクレームが来るのか?

考えられる理由の一つに「言えなかったから」があると思います。対面で苦情を言うには勇気が必要です。もし、電話主が道を開けてほしいことを直接学生に伝えていれば…ほとんどの場合、そこで問題は解消されているはずです。つまり、学校にわざわざ電話をする必要はないのです。

電話主は、直接言えなかったモヤモヤを解消するために学校にクレームを入れるのです。電話であれば、顔をあわさず、匿名で苦情が言えます。

仮に、道を開けてほしいと学生に伝えたにも関わらずクレームの電話をするのであれば、学生の反応に怒っているはずです。

 (例)声をかけたのに学生が全くどいてくれなかった。

 (例)注意をしたら、学生が悪態をついた。

※私の肌感覚ですが、今の小中高生に上記のような態度をわざとする人はほとんどいないと考えます。不快に思うようなことがあったとすれば、どいてほしと伝えた声が小さすぎて学生が気付かなかった場合や、電話主の注意の言葉にトゲがあったことなどが考えられます。

それでは、電話を受けた際の対応について具体的に解説します。

【対応】次の3つから選んでください。

①電話を保留にして、管理職にバトンタッチする

自分では対応が難しいと感じた場合は、無理せず対応が上手な職員に電話を替わってもらいましょう。「少々お待ちください。」と言って保留にし、周りの人にヘルプを出します。誰かに頼んだことに責任を感じる必要はありません。その代わりに、クレーム対応に長けている人の話し方を聞いて技を盗みましょう。電話が終わった後、「ありがとうございました。」と感謝を伝えればそれでOKです。

②聞き役に徹する

この手のクレームでは、具体的な要求をされることはまずありません。相手は❝言いたい!とにかく聞いてほしい!❞という状態です。「そうだったんですね。」「なるほど、そういうことだったんですね。」と穏やかな口調で共感し、ひたすら聞き役に徹してみてください。 もし『学校はどうしてくれるんですか?』と詰められても「お気持ちをお察しします。」のように対応してください。その場の思い付きで、対応策をしゃべることは絶対にやめましょう。今後、同じような状況が生まれたとき「以前も、電話で伝えたのに!」と電話主に思わせることになります。これは誰にとってもプラスになりません。10分前後で、相手は満足して電話を切るでしょう。

③逆説教をして、ファンにする

上級編です。詳しく事情をお伺いし、改めて学校に非がないことを確認したら、タイミングを見て攻めに転じます。「おっしゃる気持ちはわかりました。ここで、一点ご質問がございます。道路利用の管理は学校がすることでしょうか?」「学校は登下校における交通トラブルを管理いたしかねます。」のように堂々とした口調で意見を述べてください。相手に考えてもらう質問を織り交ぜることで、電話主は自身の主張に矛盾があることに気付くことがあります。

このとき最も大切なことは、相手に最大限の敬意を払うことです。相手を打ち負かすことを目的にしてはいけません。電話主の自尊心を傷つけることは失敬にあたります。電話を切った後、お互いにしこりが残らないようにします。

敬意を持って対等な立場から話をするというスタンスは、すべてのコミュニケーションに通じる重要なことです。私はクレームを言う相手に意見もせず、カタチだけの謝罪でその場をやり過ごすことが得策だとは考えません。それは相手に対する敬意のかけらもない失敬な行為だと考えるからです。

反対に、真摯な対応を取ってくれた人の気持ちは相手に伝わります。こちらが意見を述べることがあってもです。そのやり取りの中で、互いの共通点や落としどころが見つかることもあります。そこまで話ができれば、電話主は学校のファンになる可能性すらあるのです。

おわりに

私は、クレームの電話対応の最後に「また何かありましたら、ご連絡ください。」という社交辞令は使わないことをおすすめします。電話対応で貴重な業務時間をロスすることは、子どもたちのプラスにならない事は明らかです。これが最後!という気持ちで電話を切りましょう。

また、クレームを受けた際に上長(管理職や教育委員会)に迷惑がかからないように立ち回る対応も厳禁です。仮に上長にクレームが飛び火しても、その対応をするのは上長の仕事です。上手く対応できるかどうかをあなたが心配する必要はありません。それは、あなた請け負う課題ではないのです。そうではなく、あなたが自身が自信を持って対応することに集中しましょう。

長期的な視点で見たとき、そこにはメリットしかないはずです。

コメント

  1. こんにちは、これはコメントです。
    コメントの承認、編集、削除を始めるにはダッシュボードの「コメント」画面にアクセスしてください。
    コメントのアバターは「Gravatar」から取得されます。

タイトルとURLをコピーしました